チバニアン審査中断 地質学者ら疑義 申請チームは否定

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会見でチバニアン認定の審査に遅れが出ていることを発表する岡田教授(中央)=18日午後、東京・霞が関の文部科学省
会見でチバニアン認定の審査に遅れが出ていることを発表する岡田教授(中央)=18日午後、東京・霞が関の文部科学省

 地球史のうち77万~12万6千年前を「チバニアン(千葉時代)」と名付けるための申請を巡り、根拠となる市原市田淵の地層に設置された地磁気逆転を示すくい表示の説明が不十分となっている問題で、国際学会での審査が中断している。地質学者らの市民団体メンバーが国際学会などへ、くい表示の誤りを指摘したため。申請チームの岡田誠・茨城大教授(古地磁気学)は18日、文科省で会見し「疑義が問われることは全くない」と指摘を否定した。

 77万年前に地球の磁気のN極とS極の向きが逆転した痕跡が市原市の地層「千葉セクション」に良好な状態で残っており、チームは命名を目指して国際学会に申請。昨年11月に1次審査を通過していた。

 同地層には、付近に看板などを設置してきた市民団体「古関東深海盆ジオパーク推進協議会」(代表・楡井久茨城大名誉教授、地質学)が、岡田教授の調査チームにデータ提供を求め、目印となるくいを設置。くいには約2キロ離れた別の地層の解析データが表示されてしまった。

 岡田教授らによると、同協議会のメンバーが先月、国際学会や競合相手のイタリアチームに対し「虚偽の上にチバニアン年代が宣言されてしまうと日本が恥をかく」などとするメールを送信。このため、2次審査に遅れが出ているという。

 申請チームは17日に事実関係を国際学会に報告した。国立極地研究所の菅沼悠介准教授は「データは非常に細かくて測定も難しく、一つのサンプルだけでは判断できないが、地磁気逆転は確か」といい、科学的データの正当性はあるものの正しい表示を求めたが、同協議会では現在もそのまま表示しているという。

 会見で岡田教授は「説明会で一部のデータは他の場所で取られたものと説明しなかった。関係者に心配を掛け、心よりおわびする」と、改めて謝罪。国際標準模式地(GSSP)の申請とは「全く関係がない」としながら「国内で意見が割れていると印象付けられると、審査としては良くない」と、事実上決着したとみられていたイタリアにある2カ所の地層との命名争いの再燃を懸念した。

 楡井久・茨城大名誉教授は「論文が別の地点の測定結果を使っている」とし、「命名は無理だろう」と話している。

◆正当な判断に期待 市原の小出市長

 市原市の小出譲治市長は「今後実施される審査においても、専門的な見地から正当な判断がなされ、正式にGSSPの認定がされることを期待している」とコメント。地層の保存と活用のために目指す国天然記念物の指定についても「審査の動向とともに、国の文化審議会における審議の状況を見守りたい」とした。